2020年にCTOへ就任されましたが、入社からの経歴を教えてください。

2012年に入社し、インフラチームで画像配信やログ解析基盤などを担当してきました。2016年に画像配信のクラウドサービスであるImageFluxを立ち上げ、事業部長を務めました。そして、2019年から技術開発本部の本部長へ。
2020年1月から、CTOを務めることになりました。

技術開発本部は、どんな部署ですか?

技術開発本部は、ピクシブの「10年先の成長」を支える部署です。pixivというサービスが誕生してすでに10年以上経ち、その他にも様々なサービスを展開してきましたが、常に10年先までを見据えて、成長し続けるために何をすべきか、どんな技術が必要なのかといった課題に技術面から取り組み、リードしていく部署です。

具体的には、どんな施策を進めていますか?

一つは、ピクシブのサービス全体のプラットフォームの強化です。ピクシブでは様々なサービスを展開していますが、今後はアカウント情報を統合して、すべてのサービスが使いやすくなるようなプラットフォームづくりを進めていく予定です。
もう一つは、データの活用。ピクシブには多種多様なサービスがあり、膨大な量のユーザーデータがあります。この強みをどう活かすか。例えば、各ユーザーの行動履歴などのデータを活用して、ユーザー一人ひとりに最適な情報をリコメンドしていくサービスなどを考えています。

海外展開に関しては、いかがですか?

もちろん、海外展開も大きなテーマです。ピクシブはこれまで日本市場にだけフォーカスしていたにも関わらず、すでに新規ユーザーの7割以上が海外ユーザーとなっています。そこで海外でもpixivなどのサービスが利用しやすいように、配信速度を上げたり、翻訳機能をつけたり、海外企業との連携なども含めて、海外の人にもっとpixivを利用してもらうための施策を進めていきます。
pixivは今のところ、ほぼ日本語でしか使えないサービスになっていますが、もっとグローバルなサービスにしていかなければと考えています。

海外展開では、インフラの強化も重要になりますね?

もちろんです。世界のどこでもストレスなく利用できる環境にしていかなければなりません。ピクシブではこれまで、オンプレミスとデータセンターを使用してきましたが、今後はオンプレミスとクラウド、もしくはCDN(Content Delivery Network)を上手に組み合わせてサービスをつくっていく必要があります。海外にデータセンターを借りてそこから配信するかもしれませんし、海外のインフラ事業者と組んで基盤づくりをするかもしれません。海外展開に耐えられる基盤づくり、そのためのアーキテクチャに変えていくことが、今の課題です。

入社した頃、これほど会社が成長するなんて想像できましたか?

そうですね、pixivのユーザー数を見ても、私が入社した2012年は440万人ですが、2019年には10倍近い4000万人に達しています。トラフィックも、7Gbpsから35Gbpsへ。社内でベニヤ板の上にマザーボードを置いて始まった会社が、新宿と福島2か所のデータセンターを活用するようになるなど(2019年には福島へすべて移管)、インフラもどんどん変わっています。海外展開が進めば、自分がこれまで経験してきたことがない成長をしていく可能性が十分あるので、楽しみです。

そもそもなぜ、ピクシブへ入社したのですか?

ピクシブと初めて接点を持ったのは大学の逆求人イベントです。当時のCTOに「面白いインターンをやるから遊びにおいでよ」と誘われました。そしてインターン当日、会社に向かおうと千駄ヶ谷駅を出たところで大きな地震が…。2011年の3月11日です。とりあえず会社に連絡をしなきゃと思いましたが、電話も通じず電車が止まって帰ることもできないので会社に向かいました。エレベーターも動かないままなので、非常階段を昇って会社に着くと、当時の社長に「ごめんね。まだ揺れているからそこで待ってて」と言われたのを覚えています。その日にいろいろな人と話をすることができたのですが、大変な一日だったこともあり、会社の雰囲気や社員の人柄が、いつも以上良く感じられたのかもしれません。

他にも入社を検討していた企業はありますか?

いろいろなITベンチャーをみてまわり、どこも面白そうな印象を受けました。ある企業からは新規事業の立ち上げを任せるとお誘いいただきましたが、一人で事業を立ち上げるよりも、みんなでプロダクトをつくる方が面白そうだと思いお断わりしました。最後は、ピクシブともう1社で悩みましたが、自社サービスがあり、ユーザーに近い距離で仕事ができることに魅力を感じてピクシブを選びました。
ピクシブには、ユーザーのために何かをしたいという想いを強く感じ、自分も一緒にプロダクトを育てていきたいと思いました。

入社してから今までを振り返っていかがですか?

当時社員は30人ほどで、インフラチームは私を含めて3人だけでした。
しばらくはpixivの配信基盤づくりを担当していましたが、めちゃめちゃ大変だったことを覚えています。配信基盤づくりが終わったら、ImageFluxのプロジェクトが始まって、ImageFluxの次は技術開発本部と、常にやらなければいけないことがたくさんありましたが、どれも面白かったですね。やりたいことがなくならないので、会社や仕事に飽きたことは一度もありません。

今後、やってみたいことはありますか?

個人的に興味があるのは、機械学習まわりの技術です。今後は、私のような専門外の人間でも簡単に機械学習ができるようになると考えると楽しみです。クラウドサービスやCDN、SaaS IaaSにもできるだけ触れるようにしています。いろいろなサービスを組み合わせて、全く新しいサービスを生み出せたら楽しいですね。
あと、会社としては、セキュリティの強化も進めてきました。2019年にはCSIRTも立ち上げ、世界展開にも備えています。

最後に、入社を検討している方へのメッセージをお願いします。

ピクシブには凄い人がたくさんいます。この「人を知る」ページに登場しているエンジニアにも、日本のプログラマの中でもかなり上位に位置する実力を持った人や、業界でも有名な人がたくさんいます。会社も「世界」という新しいステージへと飛び出し、大きく成長していく面白い時期です。今までにないチャレンジもできます。一緒に楽しんでいきましょう。