学生時代からインターネットに興味があったのですか?

昔から絵を描くことが好きで、コンピューターグラフィックスに挑戦したくなり高校1年生の時にパソコンを買いました。そして、作品をWeb上で発表するためのサイトをつくったことで、大好きだった絵とインターネットへの興味が一つにつながり始めました。その後、大学時代に自分でつくったFlash動画がインターネット上でヒットし、沢山の人に届く楽しさを味わったこともあり、Webサービスに関わる仕事に進もうと決めました。

前職ではどんな仕事をしていたのですか?

様々なWebサービスを手がける大手人材メディア企業でプロジェクトマネージャーを担当していました。入社後は主に外部のWeb開発会社と自社の企画担当の間に立ち、機能の見直しや追加、テストなどの進行管理を行っていました。その後、スマートフォンアプリのWebディレクターに転身し、企画の段階も含めたすべての行程に関わったり、エンジニアリングの知識を深めようとインフラの部署に異動してネットワークやサーバのオペレーション、アーキテクチャの検討をしたりと幅広くWebサービス開発に携わりました。経験を重ねるにつれ「公私の経験すべてが活き、自分だからこそ大きく貢献できるような仕事がしたい」という想いが日に日に強くなり、転職を意識するようになりました。

その中で、なぜピクシブに入社しようと思ったのですか?

ピクシブには、ピクシブの社員と共通の知人を通じて知り合ったことがきっかけで、定期的に遊びにお邪魔していました。そこで毎回、活気ある社内で社員が楽しそうに働いているのを見て、「いい環境だな」と感じるようになりました。あとは、「自分と関わりが深い『創作活動』の分野に携われそうだ」「前職での経験を活かして事業をドライブできそうだ」と感じ、入社を決めました。家賃補助などの福利厚生の手厚さも魅力でしたね。

入社してみてどうでしたか?

最初はカルチャーギャップが続きました。まず、事業計画の立て方です。前職ではこれまでは1年先、数年先を見据えた綿密な計画をつくり実行していくことが当たり前だったのですが、当時のピクシブにはそのような文化はありませんでした。大企業とベンチャー企業では企業体力も狙うポジションも異なり、計画の完遂が必ずしも成功に繋がるとは限りません。不確定な未来の予測に時間を費やすよりも、最低限の行き先だけ決めたらすぐに走り出し、行動で得た学びをもとに柔軟に計画を見直していく方がピクシブには向いています。意思決定のスピードが数倍は違う感覚で、考える時間軸の違いを身をもって感じましたね。もう一つのギャップは、エンジニアの意識の高さです。チームのエンジニアは全員が自主性に富んでおり、「ユーザーに早く新しい価値を届けたい」という想いを強く持って、プロダクトマネージャーと対等にサービスの在り方を議論し、開発に取り組んでいました。そこからはエンジニアの働き方を観察し、彼らのスピード感を落とさないように、「管理する」のではなく「支援する」ことを意識しました。

現在の仕事を具体的に教えてください。

プロダクトマネージャーと開発部マネージャーを担当しています。ピクシブでは自社のWebサービスを「プロダクト」と呼びますが、プロダクトマネージャーは各プロダクトのリリースや改善による成長を目指し、事業計画から提供価値の設定、そこから完成にいたり、プロダクトをスケールさせていく過程のすべての責任を負います。いわば社長のような立場です。一方、開発部のマネージャーとしては、プロダクトと社員の成長を考えた組織をつくっていく、ピープルマネジメントを担当しています。プロダクトマネージャーを中心にデザイナーやエンジニアなどとも面談をして、社員とプロダクトに関して一緒に考えたり、悩みを聞いたりする相談役ですね。

ちなみに、プロダクトマネージャーとして心掛けていることは?

チームメンバーの個性や得意なことを掴み、これからのビジョンを聞いたうえで、仕事を進めるようにしています。ピクシブは積極的に行動する社員が多いので、当然失敗することもありますが、その高いモチベーションを維持してもらうためのサポートは怠らないよう、メンバーと目指す方向性を合わせることを大事にしています。

pixivisionのリニューアルを担当したと聞きましたが、詳しく教えてください。

「pixivision」は「pixiv」に投稿された作品を編集部が様々な切り口で特集するメディアなのですが、メディアとしての成長を目指すのであれば、扱うカテゴリーの幅を拡げる必要があると考えていました。そのためにブランド自体をリニューアルすることを社長や役員に提案して、快諾を受けてリニューアルが決定しました。ブランドマネジメントを独学で学び、チームでコンセプトの再設計をして、サイト全体のイメージを完成させていきました。最も苦労したのは、リリース時のコンテンツ不足を補うこと。協力してくれる編集者やライターを必死で探し、先行して公開した記事で反響を調べたりしながら、より良いコンテンツを揃えた状態でのリリースを目指しました。

そこから学んだことは?

まず行動することの大切さです。今まで自分で取材をしたこともゼロから記事を書いたこともなかったので、「自分がやればいい」という発想もありませんでした。しかし、もともとは自分の手を動かしたくて転職した会社。知人のクリエイターに取材を申し込んで自ら記事を書きあげ、公開しました。「自分がどんなメディアをつくっていきたいのか」の感覚を掴むことができましたし、編集者への依頼で何にこだわりたいか明確に伝えられるようになりました。それからは頭で考えるだけでなく、もっと行動しようと思うようになりましたね。

今後の目標は?

出産などのライフイベントも体験しながら、長く働き続けたいと考えています。今後、社員が仕事と子育てなどのオン・オフ両面をより充実させていくために、まずは社内制度を改善する提案をしていきたいです。ピクシブには提案を受け入れてくれる風土があるので、働き方についてはまったく心配していません。

佐藤さんにとって「つくる」とは?

人とコミュニケーションを取るための「媒介」としてモノをつくっているのかなと思います。落ち込んでいる人を元気づけたり、誕生日のお祝いの機会には、よく絵を描いてプレゼントしています。私のものづくりには「喜ばせたい相手がいる」ことが多く、自分の意志を込めてつくったモノに触れた人の反応を楽しみに手を動かしています。プロダクト開発に掛ける想いも同じですね。