「データ駆動推進室」とは、どんな部署ですか?

2018年末に誕生した新しい部署で、社内外に保有されている膨大な量のデータの活用方法の企画・実行を担っています。pixivは多くのユーザーに利用いただいているため、データが日々蓄積されています。そのデータをどう活用して、ビジネスに結び付けていくか。データ基盤やインフラの整理から、収集・整理したデータを仕事にどう活かすかの社内サポートまで、データの活用によるサービス向上や業務効率化などの支援を行っています。

メンバーには、どんな人が集まっていますか?

この部署ができる以前から、データの活用について議論を交わしたり、各チームの中でデータの利用方法を考察したり、自ら勉強をしているメンバーが何人かいました。そうした、データまわりへの興味や問題意識の高いメンバーが自然に集まった形です。

メンバーの方たちが抱えていた問題意識とは、何ですか?

社員が200名を超え、プロダクトやサービスの数も増えるに従って、社内の共通理解が年々難しくなってきていました。そこでデータを活用して、課題の整理や可視化をすることで、社内コミュニケーションの円滑化やビジネスの効率化を図り、みんながより効率的に仕事ができるようになるといいね、といった話をしていました。

実際に、どんな施策を進められていますか?

これまではデータの基盤整理を進めてきましたが、今後はビジネスへの活用に向けての具体策を進めていきます。例えば、データの可視化。会社やサービスがどんな状態にあり、各サービスがどんな役割を果たしているのかを、社員全員が共通理解できる形で可視化します。また、ユーザーにもデータを可視化して提供し、作品の販売やグッズ展開などの販促支援、売上予測を始めとする経営サポートなど、クリエイターの活動支援にもつなげていきたいと考えています。

目指すところはやはり、ユーザーの創作活動の支援ですね?

そうですね。イラストの投稿やイベントへの参加に興味があるユーザーの気持ちを後押ししたり、データを可視化することで不安要素をなくしたりして、創作活動にコミットしやすい環境をつくってあげたいと考えています。

高橋さん自身がデータを扱う仕事に関わるようになったきっかけは?

入社1年目は、pixivの新規会員を増やすための施策を考える部署に配属され、ユーザー数などの数値を多く扱っていました。その頃ちょうど、グロースハックという概念が日本にも浸透し始めていて、私もアクセス解析ツールを使って効果測定を行う、グロースアナリストとしての活動を開始しました。その後、2016年位からpixivのプロダクトマネージャーを任され、グロースアナリストの経験を活かして、pixivや関連するサービスの数値目標設定や目標達成のための戦略立案、サイトの改善などを手掛けてきました。

工学研究科出身ですが、データを扱う研究をしていたのですか?

工学研究科といっても専攻は化学で、研究室ではフラスコを振っていました。でも、数字を扱うことは好きでしたし、データを使って事象を検証する勉強もしていました。専攻からすると、IT企業は畑違いの就職先になりますが、就職活動の時期はインターネット関連の企業が盛り上がっていて、「面白くなりそうだな」と感じていました。私はゲームや漫画が好きなので、IT企業の中でもゲーム関連の企業へ応募していました。

ピクシブへ入社したきっかけは?

インターンシップに参加して、とても面白かったんです。当時の課題は「MySQLとPHPというプログラミング言語を駆使して、pixivの画像を絡めた面白いサイトをつくる」というものでした。そのインターンシップの期間中に、社員の方とピクシブのサービスについて語り合ったり、休日に遊びに誘ってもらったりしたことも、会社への興味が増すきっかけになりました。

入社して8年。転職を考えたことはありませんか?

楽しくなくなったら、いつでも辞めようと思っています。でも、これまでずっと楽しいですし、自分自身まだまだ成長していけるというワクワク感があります。魅力のある人、凄い技術を持った人、面白い発想を持った人、海外でも知られる特技を持った人など、刺激になる人も周囲にいっぱいいます。また、人を否定しない、懐の深い人が多いことも、居心地の良さにつながっていると思います。

社内の雰囲気は、入社当時から変わっていませんか?

何でも“勢い”で乗り切るような、悪い意味でのベンチャー気質はさすがになくなりましたが、私が好きな雰囲気はまったく変わりません。「学校の部室」に近い楽しさがありますね。仕事の後もみんなでゲームを楽しんだり、趣味の話で盛り上がったり。休日もオフィスは解放されているので、土日に社内の快適なネットワーク環境でゲームを楽しむ社員もいます。当社ほど会社が好きな社員が多い会社は珍しいのではないでしょうか。

改めて、高橋さんとってピクシブの魅力とは何ですか?

“創作活動を、もっと楽しくする。”という仕事を通して、世界に文化を発信していけることです。私は大学時代に大道芸人をしていて、世界大会にも出場して1000人くらいのお客さんを盛り上げる楽しさを知りました。そして今では、インターネットを通じて数百万人を相手にするサービスをつくることができています。世界展開に伴い、今後は大きな競合が出現してくるかもしれませんが、みんなでワイワイやりながら、進化を続けていきたいと思います。