大学院ではどんな研究をされていましたか。

博物館などの展示室で使うガイドシステムの研究をしていました。名古屋市科学館さんと協力しつつ、来館者のスマートフォンにBluetoothで展示室内のガイドを送って展示物の理解を深めていくためのアプリケーションを実装していました。室内にBluetoothのビーコンをたくさん置いて、Cordovaで受けてJS側で一番近いビーコンを推定するような仕組みを作っていました。

就職活動も、IT関連の企業を志望されていたのですか?

基本的にWeb業界を見てました。そもそも自分が中学時代から個人サイトで絵をアップしたり、SNSが出る以前からインターネットに関わってきたのもあったので、そういう仕事に興味がありました。

ピクシブへ入社するきっかけは?

高校・大学で漫研にいたのもあって、pixiv はずっと昔から知ってるサービスでした。
エントリーのきっかけは逆求人イベントです。人事とエンジニアの方が自分の発表を聞いてくださり、そのまま話が弾んで会社に遊びに行くことになりました。詳しく会社の説明を聞いて、やりたいことができそうな会社だと感じました。

入社後、どんな仕事を担当されてきましたか?

最初はsenseiというイラストの描き方を動画で学ぶサービスを開発していました。入社1年目の後半、ピクシブが初めて自社サービスのテレビCMを出すためpixiv側に開発人員が欲しいとのことで一時はスマホ版のUI改善をやっていました。CM対応が落ち着いたところでsenseiに戻りましたが、その後もときどきpixivの開発をやったりしていました。
その後、2018年の春頃に希望を出してFACTORYに異動しました。今はそちらのエンジニアをやっています。

なぜ、FACTORYを希望されたのですか?

入社が決まって上京したばかりの頃、試しにFACTORYで使って同人誌を作ってみて、入稿などのシステムが使いやすくて気に入っていました。また入稿やグッズデザインをブラウザでやるというのは、フロントエンドエンジニアとしては技術的に面白いテーマなのでその点でも興味がありました。

フロントエンドの技術にこだわりがあるのですね。

印刷物のデザインツールって結構難易度が高くて、ドラッグにしろ拡大にしろ、GUIとしてやりがいのあるテーマが多いんです。特に自分自身がお絵かきや画像編集のツールに親しんでいたのもあって、自分でもその開発ができたら面白そうだと思ってました。
実際にグッズを作ってみて欲しいんですが、普通ブラウザでこんな動きしないでしょといったものができてるのかなと思います。

FACTORYでこれまで、どんな開発をしているのですか?

最近ではテキスト入力機能を加えました。もともと「画像1枚でグッズが作れる」サービスをうたっていたんですが、そもそもグッズにするイラストを用意しておかないとグッズが作れない、というのは課題でもありました。絵がかけなくても文字を入力するだけで、そのままTシャツやキーホルダーが作れるという体験を実現する必要があったんですね。
ただ、当時の編集画面は文字を置くことなんて想定してない作りでしたし、フォントを選べる機能にしてもどうやって Web フォントを読み込むべきかなど、なかなか考えることの多い改修でした。でも苦労した甲斐あって、ユーザーさんからは良い評判をいただけました。

これからの目標を教えてください。

最近はチームとして、「コーディングなしで出来ること」を増やすのをテーマにしています。例えばこれまで、キャンペーンの開始や新グッズのリリース時には、毎回ランディングページをマークアップしていました。それをエンジニアの手を借りずに、ビジネス職やデザイナだけで完結できる仕組みにすれば、開発や施策を打つスピードが上げられますよね。
そういうわけで最近はHeadless CMSの導入などをやっていて、すでに新グッズのリリースはコーディング無しで回るようになってきました。その範囲を広げていくのが直近のやりたいことですね。

スキルアップのために、心がけていることはありますか?

キャッチアップなら、強いエンジニアをTwitterでフォローするのが早いですね。あとは社内のSlackにJSer.infoなどの記事を流してるので追っかけたりしています。
フロントエンドエンジニアとして見たとき、ピクシブという会社はブラウザ上で結構変わったことをやるサービスが多いと思っていて(factoryしかりVRoidHubしかりpixivSketch LIVEしかり)、そういう人やチームが近くにいるのは刺激になると思います。
ユーザーが触るものや体験するものにこだわりがあって、創作というドメインで活躍したい人にとっては、ピクシブのフロントエンドエンジニアは楽しい仕事だと思います!