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エンジニア
/ 北海道科学大学 情報ネットワーク工学科 2012年11月 中途入社
エンジニアになったきっかけを教えてください。
子供の頃、ゲームをつくりたくてプログラミングを始めましたが、挫折して、きちんとプログラミングを学ぶため大学に進学しました。しかし、情報通信系の学科では期待したほどにはプログラミングに関するカリキュラムはなく、結局独学で学びました。スキル習得に一番役立ったのは、大学時代のアルバイトです。札幌にあるSSL証明書のリセラーにアルバイトとして入社し、Linuxのサーバ構築やJavaScript、Pythonでの開発、WordPressでのサイト構築などをしました。認証業務には直接携わることはありませんでしたが、社内にあった参考書や社長・上司から公開鍵認証基盤の基礎を学びました。この時に得た知識は、pixivのHTTPS化をはじめ、現在でも非常に役立っています。
ピクシブへ入社するきっかけは?
アルバイト先が事業縮小のため退職し、自宅でプログラミングの技術を磨いていました。Ruby札幌やPython札幌の勉強会にも参加していましたね。ある程度自信がつくとWebやRubyの仕事がしたくなり、就職先のあてもないまま上京。フリーランスのエンジニアとして2ヶ月だけRailsの仕事をしていました。ピクシブとの接点が生まれたのはその頃です。当時ピクシブでアルバイトをしていた旧知の高校生とYAPC::Asiaという技術カンファレンスで再会した際にピクシブの社員と知り合いました。その後すぐにオフィスに遊びに行き、選考を受けてアルバイトとして入社することになりました。
当時のピクシブはどんな会社でしたか?
社員は50名ほどで、オフィスも今の1/4の広さでした。今と違って、四角い机が並ぶ普通のオフィスでしたね。イラストサービスのpixivはオープンして5年ほど経っていたのでシステムとして安定しているだろうと思っていましたが、そんなことはありませんでした。セキュリティの問題を含め、システム基盤のボルトを締め直さないといけないところがたくさんあり、エンジニアとして腕の振るい甲斐のある環境でしたね。
入社後、どんな業務を担当されてきましたか?
アルバイトとしてpixivのAPIを外部に提供するためのCMSを Ruby on Rails で構築しました。その関わりから正社員として入社後は、当時未経験だったPHPでpixivのAPI開発を担当することになりました。その後はアカウントの基盤づくりや翻訳や多言語化の管理システムの改修、 pixiv.net 全体の基盤の設計変更など、いろいろな業務に携わってきました。ピクシブ全体のリファクタリングや構成の変更などにずっと関わってきたことが、今の技術支援チームの業務につながっています。
技術支援チームについて教えてください。
pixiv運営本部 技術支援チームは、pixivの技術的な問題の解決や、部署横断で開発のサポートをしています。エラーの原因究明や応急処置などの緊急対応も手掛けるチームです。
思い出に残っている仕事はありますか?
最も印象深いのはpixiv小説モバイルです。これは私が初めて企画立案してpixivのサービスとして公開したものでした。2015年当時はスマートフォンへの移行が進みつつあった時期で、ユーザーが減少しているガラケー向けのサイト(pixivモバイル=ピクモバ)はクローズしようとしていた時期です。しかし、アクセス状況を見ると、小説の投稿はしなくても、読むためにピクモバを利用しているユーザーが多く、すぐにクローズしてしまうと多くのユーザーから「pixivで小説を読む」という習慣を失わせることになってしまうと考えました。一方でpixivモバイルには書かれた時期が古いコードも多かったので、古いコードを全て削除してコードを全て書き直した“読むだけ”のガラケーサイトの立ち上げを提案しました。
古いサイトのファンを残したまま、新しいサイトへ移行する計画ですね?
期間限定でオープンして、ガラケーユーザーを徐々にスマートフォンにソフトランディングさせる計画です。役員のGOもすぐに出て、開発を任されました。このサイトはユーザーからの反響も良く、3年間運営した後、クローズしました。この間にガラケーから多くのユーザーをスムーズにpixiv小説モバイルへと導くことができました。2015年に新規のガラケーサイトをつくるなんてなかなかできないことなので、苦労もありましたが面白かったですね。
技術支援チームの一員として、これから手掛けてみたいことは?
PHPの経験がなくても、誰もが安全にpixivを開発できる体制をつくりたいです。世の中の流れとして、PHPよりもJavaSriptのようなフロンドエンド側の技術の比重が大きくなっていますが、PHPでシンプルなAPIを提供することでも、サクサク動く快適な画面がつくれると思っています。また、サーバ側の知見をフロントエンドチームの若いエンジニアたちに提供することで、よりユーザー価値の向上につなげられればと考えています。
PHPに思い入れがあるのですね。
これまで、PHPでつくるとクラッシュしやすい、バグを埋め込みやすい、エラーに気づきにくいといった問題が取り沙汰されてきました。そこで、プログラムを動かさなくても、予めバグを検出できる静的解析技術を確立していきたいと考えています。これに関してはPHPカンファレンスでも何度も話をしてきたので、社内外で普及してきていると思います。Web業界としてはPHP以外の技術の比重が高まりつつありますがPHPの需要がゼロになることはないので、PHPのコードをより堅牢にしていきたいと思います。
カンファレンスにはよく登壇されるのですか?
入社3年目位から、PHPカンファレンスやPHP勉強会での発表の機会を積極的に持つようにしています。年1回の東京でのPHPカンファレンスのほか、地方のカンファレンスにも毎年出ています。カンファレンスで発表する話題は、仕事のことを半分、仕事には直接関係ない趣味の技術の話を半分くらいの割合で話しています。登壇する場合は休日出勤や出張として参加でき、会社が旅費や宿泊費などを援助してくれるので、助かっています。
最後に、エンジニアにとってのピクシブの魅力とは?
さまざまなバックグラウンドの人が楽しく仕事をしていること。多種多様な人を受け入れる土壌があることです。社内にはハッカー気質の人、みんなとワイワイ仕事を進めるのが好きな人、仕事以外でも何かをつくっている人、オープンソース活動に力を入れている人など、いろいろな人がいて、一緒にいるだけ多くの知見を得ることもできます。esaで問題提起をすると、すぐに誰かが反応して、プロジェクトの前進につながることも珍しくありません。