就職活動で重視していたことは何ですか?

やりたいことしかやらない。本当に行きたい会社にしか就職しない。この2点です。大学院では組み込みソフトウェアの研究をしていたので、メーカーなどを進路に選ぶこともできました。でも、PCで作曲をするのが趣味で、エンタメ分野でものをつくる仕事に興味があったので、コンテンツビジネスを展開しているIT企業を中心に就職活動をしていました。

ピクシブに興味を持ったきっかけは?

大学での逆求人イベントです。エンジニアと人事の方から話を聞いて、イラストだけなく、音楽や映像などいろいろな創作物のコラボレーションが展開できることに興味を持ちました。当時はコスプレ関連のビジネスも展開していたので、イラストや動画と組み合わせれば、何か面白いことができそうだと期待しました。ピクシブ以外では、世界的なIT企業の選考も受けていましたが、自社サービスで幅広い創作活動をサポートする独自性も気に入って、ピクシブへの入社を決めました。

入社してどんな開発を担当してきましたか?

初めはpixivアプリのAndroid版を担当しました。次にPC版pixivのサーバサイドを担当。その次は、社内システムの担当になり、出退勤を管理するシステムを開発しました。その後、PC版のAPIサーバ開発、再びAndroid版開発、pixiv SketchのAPIやiOS版・Android版のお絵描き機能実装、pixiv SketchのWeb版開発を担当していき、2018年の夏から、VRoidチームにジョインしました。

VRoidチームに加わるきっかけは何ですか?

もともと3Dには興味があって、空いた時間に遊び感覚で3Dキャラクターがつくれるツールをつくり、そのキャラクターで遊べるゲームをサンプルでつくっていたら、「VRoidチームに来なよ」と手招きされたんです。ちょうどVRoidのリリース直前で仕上げなければならない機能があり、その担当を頼まれてそのままチームに配属となりました。

VRoidについて、簡単にアピールをお願いします。

VRoidの最大の特長は、ポリゴンがいじれなくても、簡単に3Dキャラクターをつくれることです。誰もが簡単な操作でオリジナルの3Dキャラクターをつくることができ、直感的な操作で髪の毛を生やしたり、絵を描くように衣装を作ることができます。VRoidモバイルでは、イラストを描けない人でも3Dキャラクターがつくれ、アバター撮影機能などで遊ぶこともできます。将来的には、世の中の多くの人たちが自分だけのキャラクター(アバター)を持つ世界を創りたいと思っています。

現在はどんな業務を担当していますか?

一つはテックリード。VRoidチームの技術選択に責任を持ち、1年先、3年先を見越してアーキテクチャを決めたり、開発チームの体制を考えたりしています。そしてもう一つは、アプリの機能開発。ユーザー同士でアバターを撮影して遊べるマルチプレイ機能などを開発しています。

チーム内で心がけていることは何ですか?

VRoidチームには優秀なエンジニアが何人もいます。特定の領域に凄く強いスペシャリストがいっぱいいるので、それぞれが持ち味を生かせるよう、チーム全体を広く見渡して、みんなが動きやすい環境をつくることを心がけています。VRoidチームには、開発の進め方をもっと効率的にしていくなど、改善すべき点が多々あります。そうした点を踏まえて、みんなから意見をもらったり、みんなに提案したりして、チーム力を向上させていきたいと考えています。

チーム内でも、マネジメント力が認められているのですね?

テックリードを任されるようになったのは、私が一番優れたエンジニアだったからではありません。日頃からチーム全体のことや、開発のプロセスを大切にする行動をとっていたからだと思っています。プロセス改善のために、「もっとこうしたらいいんじゃないか」といった提案をしていたら「もっとやってくれ」と言われるようになり、自然と自分のポジションを確立していました。

これからの目標について教えてください。

ピクシブの優秀なエンジニアたちから、頼りにされるエンジニアになることです。特に、技術領域に関係なく、チーム全体のパフォーマンスを最大化したい時に、頼りにされる人であり続けたいと考えています。私は、AndroidもWebも、あれもやりたい、これもやりたいといろいろなところに目移りしてしまい、特定領域には強くなりにくいタイプです。一時期はエンジニアとしてどうすべきか悩みましたが、その解答として、チーム全体を見渡して足りないところをカバーする働き方を身につけました。これもエンジニアとしての価値だと、会社も認めてくれています。

仕事をする上で、注意していることはありますか?

自分自身もチームも無理をしすぎず、プライベートとのバランスを保つことです。
ピクシブの社員はプロダクトやユーザーへの愛がありすぎるがゆえに仕事に集中しすぎてしまう事も多いので、チームの状況を常に共有したり、プロセスの改善を追求することで、仕事とプライベートが両立できるように気をつけています。また、個人的には、健康的な生活を心がけています。

VRoidチームに興味がある方へ、メッセージをお願いします。

3Dキャラクターをつくる技術をツール化するのはかなり難しく、VRoidには、かなり尖った技術が用いられていています。プロダクトとしてキャラクターをつくるツールは世界でもひじょうに珍しいので、技術力に自信がある人、世界に新しい価値を提供していきたい人は、ぜひ挑戦してください。必要なのは、プロダクトをつくる強い意志です。「自分はこんなものをユーザーに届けたい」という強い意志を持って行動できる人に加わってもらえれば、私たちも嬉しいです。